
特に茶碗や皿は口を付けるものですから、一度使用されただけでも価値は大幅に下がってしまいます。
ところがそれは一般的な食器の話であって、骨董品に分類されるような陶器の場合は古ければ古いほど価値は上がりますし、中古でも歴史上の人物が愛用していた陶器となれば、数百万円の値が付くこともあります。
しかし、これらは箱が付属している状態であればこそで、箱なしの場合はやはり減額の対象となってしまいます。
なぜそんなに箱が重要なのかと言うと、陶器は通常桐や杉の箱に入っており、その箱の蓋には作品名や作者の署名、鑑定家が価値を保証する箱書、所有者の記録などが書かれています。箱自体が鑑定書の役割を果たしているわけですね。
箱は本物を用意し、中身は贋作にすり替えるといった詐欺もあるので、いかに箱が重要かわかると思います。
でも箱はあくまで真贋を見極める上で必要な物というだけで、本当に重要なのは中身の陶器です。なので、もし箱を処分してしまったとしても諦めず、その陶器の価値をしっかり鑑定してくれる業者に依頼すれば納得のいく査定額を提示してもらえるでしょう。