大倉陶園は、ヨーロッパの名窯以上のものを作ることを目標に掲げ、大倉孫兵衛とその息子和親が設立した日本の陶磁器メーカーです。宮内庁御用達であったり、かの洞爺湖サミットの晩餐会でも使用されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。 大倉陶園の白磁は、「セーブルのブルー、オークラのホワイト」と称されるほどの眩い白さで、その美しさは世界中から高い評価を受けています。中でも、誕生してから90年に亘り愛され続けている「ブルーローズ」は、国内外問わずファンが多い人気シリーズです。 日常的に使うよりも、どちらかと言うと鑑賞価値が高い大倉陶園の食器は、未使用のままお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。製造当時のままの状態を保っていれば、物によっては結構な高価買取になることもあります。しかし、同じ大倉陶園の食器でも、アウトレット品だとA級品に比べ価値が大分下がってしまいますのでご注意ください。A級品かどうかの見分け方は刻印の色などで判断することができ、バラの部分が手書きなのかプリントなのかという点でも買取価格に大きな差が出ます。 インターネットオークションなどを利用すると、安く落札されたり、割れてしまった時にトラブルが起こりやすいので、食器の価値を熟知していて、破損トラブルの心配がいらない【食器買取専門店】を選ぶことをおすすめします。その際は必ず複数店舗で査定し、買取価格や対応が良いお店で売ることが高価買取のポイントです。
大倉陶園は1919年に創業し、2019年で100周年を迎えます。空襲により工場が全焼してしまうという危機もありましたが、1959年の皇太子明仁親王・同妃美智子成婚時には晩餐会に食器を納入し、以降皇室御用達となっています。また、1974年には赤坂迎賓館に大倉陶園製品を納め、外国からの要人のおもてなしにも一翼を担っています。 それほどに大倉陶園の技術は素晴らしく、代表作「ブルーローズ」では、焼き上げた後に絵付けをし、再び高温で焼き上げるという巧みな岡染めを用いています。そうすることでコバルトブルーのバラに陰影ができ、柔らかみのある絶妙な仕上がりになります。また、ローラーを回転させながら模様を浮き出していくエンボス技法は、ヨーロッパでは継承ができておらず、もはや独自の技術になりつつあります。どちらとも他に類を見ない、大倉陶園だけの精巧な技術と言えるでしょう。 他にも、ゴールドで縁取られた白磁に気品を感じる「ゴールドライン」は、どんなシーンにも使いやすいシンプルなデザインが人気のシリーズです。そして「金蝕バラ」は、ゴールドとグレーの組み合わせが高級感を醸し出し、サンドブラスト技法により浮き彫りになった華やかなバラのデザインが、今も根強い人気でロングセラーになっています。 2018年は99歳のお祝いである白寿と白磁をかけた製品が販売され、2019年には100周年を迎えるというお祝いムード真っ只中のこの機会に、是非とも売却をご検討してみてはいかがでしょうか。